ブックタイトルマグネット応用機器 総合カタログ vol.8

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マグネット応用機器 総合カタログ vol.8

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概要

マグネット応用機器 総合カタログ vol.8

【消 磁】電磁チャック等において、通電を止めた後もワークとの間に継続する一定の残留吸着力を更に軽減するために、その原因である残留磁束密度(残留磁気)を減少させる電気処理のことを言います。【脱 磁】マグネット器具や磁化されたワーク等で、その残留磁気を自然減退によらず電気的処理等によって強制減退させることを言います。【整流器】電磁チャック・リフティングマグネット・脱磁器などで、効率の良い励磁電流を得るために一般的な交流(AC)電源からの入力を直流(DC)電源に変換出力する電装品です。【使用率(通電率)】脱磁器や電磁リフマなどで繰り返し作業(通電)する場合、発熱による飽和状態を回避するために連続通電時間(上限)や休止時間を設ける必要があります。通電・休止時間を1 サイクル(繰り返し周期)とし、その中の通電時間の割合を「使用率」と呼んでいます。【磁性材料】●フェライト磁石吸着力は20℃を100 とした場合、50℃で85%程、100℃で70%程に、200℃になると40%以下に低下します。しかも常温に戻っても元の磁力を回復できなくなります。●アルニコ磁石3 種類の磁性材料の中で温度特性が一番優れています。吸着力は20℃を100 とした場合、100℃で96%程に、200℃で93%程に、300℃になると89%に低下します。製品を構成する他の部材の耐熱温度を無視するとアルニコ磁石の場合、450~500℃まで使用可能です。●希土類磁石吸着力は20℃を100 とした場合、100℃で95%程に、200℃になると85%前後に低下します。ネオジム・鉄(NdFe)系磁石は60℃以上から常温に戻っても元の磁力を回復できない場合があります。サマリウム・コバルト(SmCo)系磁石の温度特性はフェライトより優れていますが、劣化を考慮して、連続使用の場合は150℃が上限です。短時間のスポット的な使用ならば、200℃まで可能です。【等方性/異方性】磁石材料には、磁化の特性に関して等方性と異方性とがあり、等方性より異方性のほうが強い磁力が出ます。ただし価格も高くなります。磁石材料を磁化する際に、どの方向に磁化しても同じように磁化できるものを等方性磁石といい、特定の方向に磁化するとき最も強く磁化されるものを異方性磁石と言います。169磁   力安 定 性耐 温 度機械的強度コ ス ト◎ 優れている  ◯ 普通  △ 劣る△◯△△◎(安価)◯△◎◎◯(普通)◎◎◯△△(高価)◎◎△◯△(高価)フェライトアルニコ希土類SmCo系NdFe系【磁気・磁力】磁石の及ぼす力の作用を「磁力」と呼び、その原因を「磁気」と呼びます。そして物質が磁気を帯びることを磁化されたと言います。磁力を表す計量概念には、物理的な「吸引力」(吸着力)と、磁化現象としての「磁界の強さ」(磁束密度)の二通りがあります。【磁性体・非磁性体】磁界のもとで極めて強く磁界の方向に磁化される物質を磁性体(強磁性体)と呼び、反対にほとんど磁化されない物質を非磁性体(常磁性体、逆磁性体)と呼びます。 例)磁 性 体 : 鉄、ニッケル、コバルト   非磁性体 : アルミニウム、真鍮、酸素、水【吸着力・最大吸着力】一般的に磁石の力は「吸引力」と呼ばれていますが、これはあくまでも磁石側から見た物理現象です。当社では製品の用途上、ワーク(被吸引物・被加工物)側から見た能力として、磁石に吸い付けられる力を「吸着力」と呼んでいます。吸着力は、吸着面に対して垂直方向へ引っ張った場合の力を示しますが、ワーク側の形状・材質・厚さ・表面粗さ・平面度・隙間・熱処理有無など、あるいは吸着する製品側の仕様等、様々な条件によって大きく異なってきます。これらの中で最も適した条件で得られる吸着力のことを「最大吸着力」と言います。吸着力の単位は、kg(f キログラムフォース)で表していましたが、SI 表記(国際単位系)ではN(ニュートン)となります。 【 1N≒0.102kgf、1kgf≒9.81N(表示値 10N)】【磁束密度】磁束密度とは、単位面積当たりの磁束の量のことです。磁束は目で見ることはできませんが、例えば磁石の上に白紙を載せて鉄粉を撒くと、その分布模様を見ることができます。磁束の単位はWb(ウェーバ)と呼びます。断面積1m2 当たりの磁束の量を磁束密度で表します。磁束密度1W /m2 を1T(テスラ)と呼びます。(従来G(ガウス)表示が一般的でしたが、SI表記ではT(テスラ)となります。1T=10,000G、1mT=10G)【吊上能力・安全係数】吊上げ・搬送マグネットの能力は、対象物の材質・板厚・形状・表面粗さ・吊上速度などの諸条件により大きく異なります。「吊上能力」は実際に製品を使用する場合の様々なマイナス要因を見込んで、最大吸着力の1/2、1/3、1/4のように製品ごとのマグネット能力の目安として表示しています。また逆に[ 最大吸着力]/[吊上能力]を「安全率」 (安全係数)と呼びます。特に板厚が薄い場合や隙間が大きい場合は吸着力も著しく低下するため、吊上能力で示した重量を吊ることが困難な場合もありますので、十分な注意が必要です。【残留磁気(残留磁束密度)・残留吸着力】外部磁界を取り除いたあと物質に残る磁気のこと。また残留磁気のために発生する吸着力を残留吸着力と言います。【励磁(正励磁)・逆励磁】コイルに通電し、磁界を発生させることを励磁(正励磁)と言います。また逆方向に電流を流して逆の磁界を発生させることを逆励磁と言います。使用率=   通電時間   ×100(%)    (通電時間+休止時間)ON通電時間休止時間OFF