Q&A集

チャック


question

KET/EPT形チャックの吸着力について


answer

※吸着力は吸着面に対して垂直方向へ引っ張った場合の吸着力を示します。

【注釈】

吸着力・・・・・・・・ 被加工物側から見た能力として、磁石に吸いつけられる力を吸着力と呼びます。
ワーク・・・・・・・・・ 被加工物のことです。
磁極間隔・・・・・・ マグネットチャックに関する専門用語についてを参照して下さい。
セパレータ・・・・・ マグネットチャックに関する専門用語についてを参照して下さい。

 

ワーク側の吸着力に影響する条件としては、形状・材質・厚さ・面粗さ・平面度・熱処理の有無などがあります。

例えば、同じ形状のワークを吸着するとしても、他の条件が異なれば、得られる吸着力はそれぞれ違ったものになります。

チャック側の条件としては、チャックの種類・磁極間隔・吸着位置(方向)などがあります。

同じワークを吸着する場合、仕様の異なるチャックを使用すれば、得られる吸着力は違ってきます。

また、同一チャック上で吸着する場合でも、吸着位置や方向が変わると吸着力は違ってきます。


ワークの厚さと吸着力の関係

ワークの厚さが薄い場合、磁束がワークを突き抜けてしまい有効な吸着力が得られません。

同一面積のワークにおいては、厚さが薄くなるほど吸着力は低下します。

【ポイント】

板厚が薄いワークには磁極ピッチが小さいもの、充分厚いワークには磁極ピッチが大きい方が有利です。

ワークの厚さと吸着力の関係


ワークの材質と吸着力の関係

ワークの材質の違いにより比透磁率が異なるため吸着力が変わります。

【ポイント】

一般に炭素量の多い硬い材質ほど吸着力が低下します。

同じ材質の場合でも、熱処理で硬度を上げたものの方が吸着力は低下します。

ワークの材質と吸着力の関係


ワークの表面粗さと吸着力の関係

ワークが作業面と接する面の仕上状態で吸着力は変化します。

【ポイント】

表面粗さによる吸着力の減少は、ワークとチャック吸着面の間の隙間が関係しています。

ワークの表面粗さと吸着力の関係


ワークと作業面との隙間と吸着力の関係

ワークとチャック吸着面の間に隙間がある場合、吸着力は減少します。

【ポイント】

わずかな隙間でも吸着力は大幅に低下してしまいます。

ワークと作業面との隙間と吸着力の関係


ワークの吸着位置・方向と吸着力の関係

同じワークを吸着する場合において、チャックへの置き方(方向)で吸着力は変わります。

【ポイント】

できるだけ多くのセパレータにかかるように置いた方が一般的に強くなります。

また、チャック吸着面上の位置の違いによっても吸着力が変わります。

例えば、チャックの四隅付近は中央と比べて吸着力が弱くなる傾向があります。

ワークの吸着位置・方向と吸着力の関係